実績紹介

データセンターの利用終了に伴い、オンプレミスで稼働していたSEOサーバを、期限内に確実に移行。約23%のコスト削減も実現

株式会社WEBマーケティング総合研究所様

これまで利用していたデータセンターのサービス終了に伴い、稼働中のシステムをAWSに移行した、株式会社WEBマーケティング総合研究所様の事例をご紹介します。


お客様の課題

  • 期限内にオンプレミス環境からシステムを移行させる必要がある
  • 重要なシステムの移行を伴うため、確実に移行を成功させたい

実現できたこと

  • ランニングコスト削減
  • 移行期間の短縮
  • 安定稼働

株式会社WEBマーケティング総合研究所様では、すでに多くのシステムをAWSに移行し運用していましたが、一部のシステムはデータセンター上に残っている状況でした。

しかしデータセンターのサービス終了にともない、データセンター上で稼働しているシステムの移行先を早急に決定し、移行する必要がありました。

もともとオンプレミスで運用しているシステムには、データセンターやハードウェアの保守コストがかかっており、これを削減されたいという思いもお持ちでした。

Webマーケティング総合研究所様は、多くの中小企業に自社開発CMSを利用したホームページ作成サービスを提供されています。今回対象となるシステムはSEOサーバで、SEO(検索エンジン最適化)のためにキーワードやサイト紹介文をAPI連携し、情報を登録/更新するシステムです。

もし、うまく移行できなかった場合、Webマーケティング総合研究所様が提供するCMSで作成された多くの企業のWebサイトの検索順位が下がり、Webブラウザでの検索時に上位に表示されにくくなってしまいます。検索順位が下がるということは本CMSを利用しているお客様にとって、機会損失につながる可能性があります。

したがってこの移行プロジェクトは、株式会社 WEBマーケティング総合研究所様のサービスを利用する多くの企業様のビジネスを支えるために、確実に成功させなければなりませんでした。

AWSへの移行を提案

こうした状況をふまえ、NRIネットコムはAWSへの移行をご提案しました。その理由は以下の通りです。

・期限内の確実な移行が可能であること

他データセンター上(オンプレミス)に移行する場合、データセンター及びハードウェア選定作業やそれに伴う各種ベンダとの調整工数及び調達のリードタイムが必要であり、データセンター終了までに移行できない可能性がある。

・コスト効率

クラウド移行の場合、データセンターやハードウェアの調達費用が不要であり、利用状況に応じた課金体系となるため、コスト効率が良い。

・データセンターやハードウェア障害発生時の影響の軽減

これまで発生していたデータセンターやハードウェアの管理はAWSに任せることができるため、ハードウェア障害発生時に自動的に再起動させて復旧するなど影響を最小限にとどめることができる。

・NRIネットコムのAWSによるシステム構築実績

当社はAWSのアドバンストティアコンサルティングパートナーであり、AWSによるシステム構築に強みがある。

AWSの活用方法と工夫

WEBマーケティング総合研究所様に、こうしたご提案を受け入れていただき、AWSへの移行が決定しました。

<AWSの活用方法>

・負荷分散としてマネージドサービスであるALBを採用する。

・DBサーバ以外はEC2インスタンスで構築する。

・DBサーバ(SQL Server)はマネージドサービスであるAuroraへの移行を実施する。

・監視ツールはCloudWatch、SNS(及びSaaS)を採用する。

<工夫したポイント>

・期間が限られる中、リファクタリングによる移行を実施することで、運用負荷軽減やコスト削減に寄与。

・DB及び運用監視サーバ以外の2種類のサーバ(Linux/Windows)については、各サーバ上でそれぞれ稼働しているアプリケーションを単一のLinuxサーバ上で稼働できるようリファクタリングし、サーバ台数を削減することで、コスト削減に寄与した。また、早期にサーバ構築が行えるように、類似したサーバ構成のAnsibleコードを活用し、効率的に構築を行った。コード化することによりオペレーションミスを防ぐことも可能とした。

・DBサーバはマネージドサービスであるAuroraに移行し、ミドルウェアレイヤー以下のレイヤーをAWS管理とすることで運用負荷を軽減した。

・監視については、既存のソフトウェアを継続利用するのではなく、CloudWatch、SNS(及びSaaS)を利用し、クラウドネイティブな構成とすることでランニングコストを削減した。

<構成図>

成功のポイント

アプリケーションのリファクタリングに関して、開発環境でのテストにて、実データで現新比較を行い、完全一致するまで繰り返しテストを実施し、品質の向上に努めました。

また、現新の切り替え方法について、お客様ともご相談の上、現新で並行稼働し、接続元のアクセス先を段階的に切り替える方式としました。お客様にも動作確認していただきながら、着実に切り替えを行い、問題なく移行することができました。

約半年のプロジェクトを経て、データセンターの利用終了期限までに無事に移行を完了させることができました。

さらにAWSへの移行や監視方式の変更によって、「データセンターのハウジングコスト」や「回線費用」、「監視ツールのソフトウェア費用や監視運用費」が低下し、23%のコスト削減が実現できました。移行後、大きな問題が発生することなく安定的に稼働中です。

WEBマーケティング総合研究所様からも感謝のお言葉をいただいております。

NRIネットコムは、NRIのグループ企業の中で最も規模が大きく、クラウド事業を始め多くのソリューションをご提供しています。なかでもAWSに関しては多くのスペシャリストが在籍する国内トップレベルのエンジニア集団で、 NRIの品質を受け継ぎながら、企業のDXを支えるソリューションをワンストップでご提供しています。

・APNアドバンスドコンサルティングパートナー

・5年連続アンバサダー選出

・AWS関する書籍の執筆/ブログ配信を積極的に実施

漠然としたお悩みをお持ちの方、何から手を付けてよいかわからない方でも、スペシャリストがお悩み解決に向けて丁寧にサポートいたします。お気軽にご相談ください。