株式会社ショーケース様
AWSではさまざまなサービスが提供されており 、お客様に合わせたサービスの提案が可能です。この度、当社のAWS請求代行&AWSアカウント管理サービスを導入いただいた株式会社ショーケースのSaaS事業本部 システム管理部 部長/システムアーキテクトエキスパート、李 在煥様にお話を伺いました。
株式会社ショーケース SaaS事業本部 システム管理部 部長 システムアーキテクトエキスパート 李 在煥様
李様:弊社は、顧客企業のDXを推進するため、プラットフォームの提供や、クラウド型ソフトウェアサービスの展開を行っています。Webサイトの入力フォームを最適化する「Form Assist」や、AIチャットボットを搭載したWeb接客ツール「おもてなしSuite」などを提供し、Webマーケティングを幅広く支援しています。
他に、法人向け本人確認サービス(eKYC)の「ProTech ID Checker」もあり、これらのSaaS型サービスは全てAWSで稼働しています。サービス全体の基本的なクラウド基盤の設計や構築は、主に私と数名のスタッフが担当していたのですが、私が管理職になったことで、そちらに時間を割けなくなりました。
AWSはアップデートのサイクルが早く、その数も膨大です。インフラやクラウドに精通したエンジニアが、既存システムの運用や顧客案件に携わりつつ、AWSのキャッチアップをしていくのは限界があると感じていました。
そんな折、今年の2月頃にNRIネットコムのウェビナーに参加したところ、営業の方からご連絡をいただき、話を聞くことになったのです。NRIネットコムといえば、AWSのエキスパートである佐々木拓郎さんが、技術ブログで精力的に発信されていることを知っていたので、どんなお話ができるか楽しみでもありました。
丹:ショーケース様がどのような形でAWSを利用されているか、何か課題はお持ちか、などをヒアリングさせていただきました。現状の課題を伺うと、過去に実績があるソリューションと重なる部分がありましたので、弊社のサービスプランをご提供できそうです、とお話ししました。
李様:弊社としては、社外の専門家に相談できる体制をつくりたいと考えていたので、前向きにお話を伺いました。事業展開している主な3つのクラウドサービスは、基盤も技術も異なるシステムで、それぞれに課題がありました。そこで、ヒアリングを受けた上で、NRIネットコムのサービスが合いそうな部分や、直近でお願いできそうな部分を検討しようという流れでした。私が所属するシステム管理部では運用の最適化やコスト管理を業務としており、まずは、そういった部分の支援をお願いしようと考えました。
丹:ヒアリングをして、直近の課題と感じたのはアカウント管理の部分でした。AWSアカウントを複数管理することで工数と管理コストが増えていくのですが、効率化してコストを抑えることも可能です。そこでまずは AWS請求代行&AWSアカウント管理サービスをご提案しました。これはAWSサービス利用料を弊社経由でご請求し、併せて弊社でAWSアカウントを管理するものです。このサービスは当社で多数のお客様に導入していただいています。ただ、各社様共通する部分がある一方、それぞれのお客様固有の課題もあり、そこにどういったアプローチができるかは毎回ご説明しています。今回も、ショーケース様の抱える課題をヒアリングさせていただいたうえで、解決のためのアプローチ案をご説明させていただきました。
李様:実は2、3年前に他社からそういった提案をいただいたのですが、サービス導入において、さまざまな制約があったり、弊社のニーズに対してどこまで対応していただけるのか不透明だったりしたこともあり、導入を見送っていたのです。今回NRIネットコムと話してみて、「それは可能です」「それもできます」と、こちらのニーズにフィットするご提案をいただき、迷うことなく導入を決めました。
丹:弊社の強みである要件定義力とヒアリング力をベースに、お客様に寄り添うサービスを心がけております。柔軟性の高さが、われわれのサービスの付加価値だと自負しています。
李様:最初の打ち合わせの際、営業の方から「御社のお話もお聞きしたいので準備をお願いいたします」と言われました。他社からそのようなことを言われた経験はありません。こちらの事情を知った上で、どういった提案ができるか探ろうとする姿勢が印象的でした。
今回のコスト管理については、AWSから請求が来て支払いをするだけでなく、社内的には、どのプロダクトにどの程度のコストがかかったかを計算して、それぞれのプロダクトに計上する必要がありました。さらに、毎月の支払いや年一括払いなど支払い方法もさまざまで、既存の計上ロジックにそのまま乗せられないものがあったりと、コスト配分が煩雑だったりしたのです。毎月、そのオペレーションに工数を取られていたので、改善したいと考えていました。
丹:実際の業務をヒアリングし、計上のルールも確認させていただき、コスト配分をどう最適化するかを考えました。通常はアカウントごとに請求が来ますが、弊社ではAWSの機能である「コスト配分タグ」を使用して、プロダクトごとにコストを計上したいというニーズに対応できるようにしています。コスト配分タグの活用は慣れてしまえば難しくはないのですが、設定前には丁寧に要件を検討しておく必要があります。
李様:ちょうど社内で業務最適化に取り組んでいるタイミングだったので、コスト管理が最適化できて、非常に助かりました。サービス導入に伴い、業務フローを調整する必要があったのですが、NRIネットコムとは随時やり取りさせていただき、社内スタッフからの質問にも迅速に回答してくださったので、スムーズに連携できました。こうした導入までのプロセスを見ていて、信頼できるパートナーだと実感し、心強かったですね。
李様:特に大変有り難かったのが、支払いサイトを当社の経理処理のサイクルにあわせてもらえたことです。NRIネットコムを経由することで、すべて毎月の請求書ベースで把握することができるようになりました。
丹:AWSからの請求を、そのままお客様に請求するのが通常のスキームですが、今回は、お客様の経理処理負担を軽減することが最大のゴールでした。ですから、どうしたらご要望に沿えるか、弊社内でも法務を含めて協議し、ご契約に反映することができました。
李様:率直に言って、ここまで対応してくれるのか、と驚きました。NRIネットコムのこの対応によって、経理負担が格段に減りました。同時にAWS請求代行&AWSアカウント管理サービスを利用することで、割引が適用され、AWSの利用料そのものも抑えることもできました。
丹: AWSの請求代行サービスは、マルチテナント環境で利用いただくプランをご提案することが多いのですが、今回は、お客様の社内体制や環境、加えてコストメリットなどを考慮して、マルチアカウント環境利用に最適なサービスプランをご提案しました。 コストの可視化がターゲットではありませんでしたが、当然、考慮すべき点です。
今回弊社経由でAWS環境を利用いただくにあたり、コスト確認時にこれまで使われていたAWS IAM Identity Centerの「IAM権限」の一部に、制限をかける必要がありました。その後、使い勝手はいかがですか?
李様:そうですね。その結果、コストのダッシュボードを利用することになったのですが、組織配下にある各AWSアカウント上のAWS Cost Explorer は確認できます。事前にきちんと説明いただいていたのでその影響を理解していましたし、要望も出せました。不安はありませんでしたよ。今回は、AWSの請求代行サービスの利用が主でしたが、高い技術力を期待してNRIネットコムに依頼した経緯もあるので、今後いろいろな提案をどんどんしていただけたらと思います。今後はさらにビジネスのパートナーとして、おつき合いしていきたい、そんなことを感じるプロジェクトでした。「パートナー」という言葉を使うのは時期尚早かもしれませんが、それほど、今回のプロジェクトには、満足しているのです。
丹:嬉しいお言葉です。ありがとうございます。AWS始め、さまざまな技術力は他社に負けない、と自負しております。今後とも広くご一緒できればと思っております。