実績紹介

AWSを利用したデータ分析基盤構築講座の提供

株式会社野村総合研究所

データ分析によってビジネスに新たな展望を見出そうとする企業が増えています。その背景には、デバイスやIoT、各種Webサービスの発展に伴って日々増加し続ける大量データの存在と、変動しやすいビジネス環境に対応するため、素早い意思決定を行う必要性が高まっていることがあげられます。

しかし、AIを活用するためにデータを収集しても、収集元が複数のチャネルに跨っていたり、収集したデータが非構造化データであるケースも多く見られます。そこで、このような取り扱いの難しいデータを、分析に活用できる有効なデータに変える必要があります。

「データ分析基盤」とは、様々なチャネルからデータを収集・貯蓄し、それらを整形・加工して保管することで、生のデータを分析の目的に合った取り回しの良いデータとする一連の流れを担います。

NRIネットコムでは、この「データ分析基盤」の構築を目的とした「データ分析基盤構築講座」の提供を2020年3月より開始しています。この講座について、野村総合研究所(以降「NRI」)人材開発部の西村様にお話を伺いました。

講座の企画・実施背景

NRIが掲げる長期経営ビジョン「Vision2020」及び中期「中期経営計画(2019-2022)」では、その柱である「DX戦略」を加速する人材育成のためのプログラムを実施中です。その一環として、データサイエンティストの育成にも力を入れており、2017年には、社内資格である「認定データサイエンティスト」を制度化しました。

NRIネットコムへの講師依頼経緯

これまでも、AWSを利用したシステム構築研修をネットコムより提供を受けていた経緯があり、人材開発部としてネットコムの研修の品質に信頼を置いていました。

また、本講座の企画・監修に携わったNRI認定データサイエンティストが、講座内で行うのと同様のデータ分析基盤構築をネットコムと共に実務で行った実績がありました。その経緯から研修コンテンツの作成や演習環境の構築を円滑に進めることができるのではないかと期待しました。

講座内容

本講座のメインコンテンツは実際にAWSのサービスを使ってデータ分析基盤の構築を行うハンズオンです。受講者は外部チャネルからデータを収集し加工、分析を行う典型的なフローを体験することで、データ分析基盤構築の具体的なイメージと、各自のビジネスに新たな価値を創出する手がかりを獲得します。

また、講座内の講義パートでは、データレイク・データウェアハウス・機械学習・分析の概念的な理解やビジネスでの活用などについて知識を深めることができます。

ハンズオン

  • データソース・データレイク構築
  • AWS Glueによる分散処理基盤の構築
  • ETLジョブのワークフロー管理
  • データウェアハウス構築
  • データ分析基盤のシステムモニタリング
  • レコメンデーションエンジンの構築

講義

  • データ分析基盤の歴史・背景・潮流
  • ETLの実現に活用できるAWSリソースの解説と比較
  • AWSのサービスによる蓄積したデータの活用方法
  • 商用マーケティングツールとの比較
講義内での構築物(データレイク)
講座内での構築物(AWS Glueによる分散処理基盤とデータウェアハウス)
講座内での構築物(AWS Glueによる分散処理基盤とデータウェアハウス)
講座内での構築物(レコメンデーションエンジン)
講座内での構築物(レコメンデーションエンジン)

受講者評価

講座の最後に実施しているアンケートでは、各評価項目でいずれも高い満足度となっています。特に、ハンズオンでAWS上に実際にデータ分析基盤を構築することによって具体的な理解につながる点を評価する回答がよく見られます。
また、講師のスキルの高さ・経験の豊富さとともに、ハンズオンの際の丁寧なフォローも好評を得ています。

<受講者フィードバック例>

  • 知識として知っていた内容を実践に落とし込むための基礎が身につきました。
  • 特に資料の完成度が高く、初学者向けの導入として非常にわかりやすいと感じました。
  • データ分析基盤構築の具体的な実装イメージが持てました。
  • 各種サービスに実際に触れる機会が得られ、AWSのサービスを使った分析基盤の構築が想像以上に簡単にできるということが分かりました。
  • サンプルコードなど、具体的な内容や演習の手順がはっきりしており、実践で活用できると思います。資料づくりに手間をかけていることがよく伝わってきました。
  • Glueの開発は実案件でも利用していますが、ネット上での情報が少ないため、ハンズオンがとても参考になりました。また、AWSでのデータ分析基盤のアーキテクチャ例や、SaaSを利用した場合との比較なども、まさに自身が知りたい内容であったため、非常に役立つ内容でした。