株式会社Asian Bridge様
請求代行サービスの導入でネックになるのは、既存システムの設定や構成を変える必要がある場合ではないでしょうか?今回は、システム変更を伴わず、AWS利用コストを削減したケースをご紹介します。当社のAWS請求代行を導入いただいた株式会社Asian Bridgeの小西広恭社長、システムソリューション事業部開発1課リーダー・山田尚燿様にお話を伺いました。
株式会社Asian Bridge 代表取締役 小西広恭様
システムソリューション事業部開発1課リーダー 山田尚燿様
小西様:弊社は設立して18年になります。企業のシステムソリューション開発をメインに事業を開始しました。地域課題に貢献するため、東京一極集中のIT事業を地方にも展開しようと金沢と富山に拠点を作り、近年は九州にも進出しています。
現在は3つの事業体があり、1つは企業や自治体向けのITソリューションです。企画、設計、開発をすべて社内で行い、パートナーなどを介さず、エンドユーザー様と直接やり取りをして、ソリューションをトータルで受託しています。
2つめが地域ソリューションで、地域課題に対するDXソリューションを開発したり、提供したりする事業です。地方のインターンシップを探せるマッチングサービス「キャリターン」は年齢、性別を問わず好評を得ています。
3つめはSNSコマースプラットフォームの「Bankプラットフォーム」で、昨年、新しくサービスソリューション事業部を設立し、今、弊社が最も注力している分野です。スポーツ領域に特化した「SportsBank」と自治体向けの「LocalBank」を昨年ローンチしました。このプラットフォームは大規模なオンラインサービスで、動画の配信などもしているため、膨大なリソースを消費します。そのうえ事業開始と同じタイミングで円安が進み、爆発的にコストが上がり始めてしまいました。
NRIネットコム 山田:ちょうどその頃、別のお客様に「もしAWSのコストでお困りのお知り合いがいたら、弊社でコスト削減の支援ができます」とお話していたのですが、それが小西様に伝わり、非常にタイミングが良かったとのことでした。
小西様:そうですね。実は10年ほど前にセキュリティソリューションに関して、NRIネットコムの方と一度お会いしてお話を伺ったことがありました。今回も、知人がNRIネットコムと仕事をしていて、山田さんのメッセージを伝えてくれたので、昔のご縁もあるし、いろいろと話を聞いてみようと思ったのが依頼のきっかけでした。
NRIネットコム 山田:最初のヒアリングの段階で現在のご利用状況を把握し、ざっくりと「5%くらいはコスト削減が可能だと思います」と、その場でお伝えしました。
小西様:スピード感を持って弊社の要望に合った提案をいただけたので、NRIネットコムにお願いすることにしました。
小西様:AWSのコスト削減は他社からも提案があったのですが、いろいろと制約がありました。それらの提案ではシステム環境を整理する必要があり、運用や開発を行う側からすると、環境に手を加えるのはかなりハードルが高く、AWSのコスト削減を見送ってきた経緯があります。
NRIネットコム 山田:NRIネットコムでは、もちろんシステム構成を大幅に見直して、大きくコストダウンするご提案もしています。しかし、システム構成を変更することなく、契約の見直しだけでコスト削減するご提案もしており、この点を評価いただいたということですね。
小西様:弊社としては、システム環境の変更は避けたかったのです。構築時期の異なるいくつものシステムのそれぞれについて、設定変更などを行うことは、事業にとって大きなリスクです。また請求代行サービスの導入によって、アカウントを分けられなくなるなど、さまざまな制約が出てくるのも困ります。さらにそれらを整備するための稼働コストを考えると、やろうという判断はなかなかできません。しかしNRIネットコムは、環境はそのままでコストを下げられるとのことで、弊社にはありがたい提案でした。
山田様:また、AWSのアップデートに関するナレッジレポートをいただけることも大変助かります。
丹:AWSは頻繁にアップデートがあり、毎月、大量のアップデート情報が発信されています。弊社では、AWSアカウント管理サービスの内容として、追加費用なしで、AWSをご利用のお客様にその情報を毎月レポートでお知らせしています。
NRIネットコム 山田:AWSサービスは200以上あり、キャッチアップの負担もあります。アップデートに関してAWS利用者側で必要な作業が発生することもあるので、お客様に毎月アップデート情報をお知らせすることは付加価値になるのではと考えています。
小西様:頻繁にアップデートがあるので、自分たちで情報を調べて整理していくのは非常に手間がかかります。毎月レポートにまとめていただけるようになって、その分の人的リソースを他の業務に回すことができています。
山田様:NRIネットコムのAWS請求代行サービスを利用する前は、請求処理だけでもかなりの負荷がかかっていました。個別アカウントごとに、それぞれログインして請求書をダウンロードする作業が毎月発生していたのですが、ログインするにも2段階認証が必要だったり、ダウンロード1件に時間がかかり、それを10回、20回と繰り返すのは、心理的にも負担でした。AWS請求代行サービスに切り替えたことで、アカウント数がかなり集約され、請求処理にかかる時間が大きく短縮されました。
山田様:請求代行サービスを導入したことで、インフラのコストが目に見えて下がりました。弊社の規模でもAWSに支払う額は数千万単位なので、例えば1割減だとしても、数百万円は削減されることになり、コストダウンのインパクトは大きかったです。サービス導入に関しても、切り替え月には立て込みましたが、それは折り込み済みです。順調に移行できました。
丹:最初のご提案で「利用料を5%下げられます」とお伝えしましたが、AWSの割引オプションであるSaving Plansや、長期利用を予約することで割引になるリザーブドインスタンスを活用すると、さらに4%下がり、トータルで9%削減できるとお伝えしました。迅速にご検討いただき、ご契約までスムーズに進みました。
NRIネットコム 山田:小西様の意思決定が早かったこともあり、最初の面談から4カ月足らずでサービス導入となりましたが、この規模でこれほどスピーディーに進んだのは弊社としても他に例がないと思います。
丹:コスト削減をご提案する際、利用中のサーバー台数やアカウント数をとりまとめたり、アカウントごとの利用料がどれくらいあるか、お客様に洗い出していただくのですが、Asian Bridge山田様からきれいに整理されたデータを短期間でいただけたので、弊社からも早いタイミングで、具体的なコスト削減案をご提示することができました。
小西様:AWSは料金体系も含めて常に変更やアップデートが発生しているので、コストの総額や詳細を細かく把握しないまま、「現状のままでいいか」と考えて、使い続けている側面もあります。NRIネットコムは、客観的に継続してアップデート情報をウォッチしておられるので、「このパターンであれば、現在はより柔軟なコスト削減が可能です」ということも教えてもらえて、非常に助かっています。
NRIネットコム 山田:AWSが継続的にアップデートされていくので、コストダウンに最適なソリューションも変わることがあります。このまま御社の事業規模が大きくなっていくと、現行とは違う組み合わせのサービス利用のほうが効果的ということもあろうかと思います。
小西様:AI系のAPIを使ったシステム構築を、そろそろAWSでも始めたいと考えていますが、NRIネットコムはAWSに関する幅広い知見を持っているので、そのようなことも気軽に相談できるので心強いです。クラウドでAIを使うにあたり、どのくらいのコストインパクトで、どれだけのことができるのか、これから助言をいただくことになると思います。
NRIネットコム 山田:AWSのサービスや製品に関するお困りごとだけでなく、他業種での活用事例などもご紹介できますので、ご相談ください。
小西様:これからのAI時代に、国産のサービスプラットフォームを提供したいとの思いで事業に取り組んでいます。弊社が注力しているSportsBankは、スポーツにおけるSNSコマースプラットフォームで、プロチームの運用プラットフォームでもあり、高校生の部活支援プロジェクトも始めています。さらにサービスを充実させ展開していく予定で、AWSのIaaS、HaaSを活用して利用領域を広げていくことになりそうです。
丹:インフラに限らず、弊社が持つさまざまな知見から、ご要望に対して最適なご支援、ご提案ができることが弊社の強みです。今後ともお力添えできればと思います。